電車の車窓から見える風景が揺れている。 早く到着しないかなとも思いつつ、流行っている曲をイヤホンで聴く。 「この曲……悲しいな。ボカロってこんなのもあるんだ。」 他の人に聞こえないくらいか細い声でそう呟きながら、 やがて降車のアナウンスが聞こえて歩き出す。 いったいいつから人生がつまらなくなったんだろう。 社会のレールに乗ったまま、大学に入って、講義を受けて、バイトして、流行りものに乗っかって。 子供の頃は友達と遊んだり絵を描いたりして自由気ままに過ごしていたのに、今ではそれも昔の思い出だ。 この日常を変えたいと思っても、変え方すら分からない。 もう一度あの頃に戻って、好きだった事をして生きたい……。 なんて願っていると、透き通った音色が私の中に流れ込んできた。 「らーらーらー……」 ────え？ あたりを見渡しても、その声の主は居なかった。 一瞬聞こえたその歌声のようなものはすぐに周囲の喧騒に搔き消され、 再び足音やエンジン音が耳の世界を埋め尽くした。 気のせいだったのかな……。 ふと上を仰ぎ見ると、シブヤの交差点の巨大ビジョンに映る『初音ミク』を見つける。 ああ、ミクの声だったのか。 ……凄いな、ミクは。 こんなに遠くからでも聞こえるくらい力強く歌って、 でもさっき聴いた曲のように、しっとりと優しく歌う一面もあって。 世界中のクリエイターが創り上げた歌を、あらゆる歌声で表現してる。 ミクみたいに、私もどんな風にでもなれたらな…………。 そう想った瞬間。 スマホの通知音が鳴り、【Untitled (アンタイトル) 】という曲がダウンロードされた。 不思議に思いながらもその曲を再生すると、視界が白い光に包まれて──────。 ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⣀⣀⡀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⢀⢪⣿⣿⢿⢿⣧⢪⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⣴⠧⡝⣱⣻⣿⡣⡿⡔⣳⡄⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⣼⢏⠎⠁⠺⣿⣿⢿⠰⠃⣑⢿⡄⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⣜⢇⠇⠀⣤⣶⢬⣷⣥⣄⠀⢐⡘⡷⡀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⡌⡖⠑⠀⢀⣿⣿⣽⣿⣿⣯⡇⠀⠡⡛⣆⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ⠀⠀⠀⠀⠀⢀⡼⡸⠡⠁⠀⠠⣿⣳⣿⣿⣟⠐⢱⠡⠀⠑⢵⢱⣀⠀⠀⠀⠀⠀ ⠀⠀⠀⠀⢠⡞⡕⡑⠁⠀⢠⢊⣿⢮⣿⣿⡂⠀⠀⠩⡢⢄⠘⡜⣎⢶⢄⠀⠀⠀ ⠀⠀⠀⡠⣗⡏⡞⠀⠀⡠⠑⣼⣿⠙⣿⣿⣿⣦⡀⠀⠐⠠⢑⠘⢌⢚⣯⣝⡢⡀ ⠀⠀⡰⣼⢷⢹⠀⠠⠊⠠⠨⣿⣿⠀⠽⣿⡿⠟⡑⡄⡀⠀⠦⠺⡖⡷⡬⣻⣷⣌ ⠀⢰⣸⢾⡗⡝⠐⢞⠟⠍⢢⠨⣉⠢⠡⡑⠌⡆⣕⠮⠃⠀⠀⠀⠈⠘⢦⢈⣿⣷ ⠀⣮⢺⣟⣯⡪⠀⠀⠀⠀⠈⠑⣶⡷⣧⣷⣿⣿⡇⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠩⣗⡺⣿ ⠀⣷⠸⣿⡺⡼⠀⠀⠀⠀⠀⠀⢛⢛⢃⢻⢻⢫⠂⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⣻⢼⣿ ⠀⢗⠈⢺⣯⡻⡂⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠢⡑⢜⢜⠜⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⢚⣗⢯ ⠀⠈⠢⠀⠸⣷⡙⢄⡀⠀⠀⠀⠀⠈⠪⡸⡨⠃⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⡜⡮⣿ ⠀⠀⠀⠁⠂⠐⡏⢷⣍⠉⠈⠀⠀⠀⠅⡘⡌⡆⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⡐⠙⣝⣷ ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⢸⠀⢻⡀⠀⠀⠀⠀⠂⢌⢂⠗⠀⠀⠀⠀⠀⠀⢀⠁⠐⠀⠈⢟ ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠂⠀⣪⠂⠀⠀⠀⠀⠀⢂⢂⠃⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠈ ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠌⠀⠀⠀⠀⠀⠀⢂⠺⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠂⢅⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠠⠁⣘⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠨⢔⠃⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀⠀ ミク「こんにちは！この"セカイ"に誰かが来るなんて、珍しいな。」 ‎‎ ‎ [プロジェクトセカイ　カラフルステージ！]　　好評配信中！\ｾｰｶﾞｰ/ https://pjsekai.sega.jp/ ‎ ‎ ‎ ‎ ‎ ‎ ‎ ‎ ‎ ‎ ‎ プロセカやった事無いです。この文章なんなんすか original: https://youtu.be/anJrjWw6zQA ex diff mod: @zeon-gitien